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    2011

01.24

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(008)

「じゃあ、教えてくれ!!」と、喉まで言葉が出かかった。
 でも、そういうわけにはいかない。
 颯太にとって、諏訪部 煌という男は、そういう誰かを頼ってお手軽な方法で接していい相手ではないのだ。
「いいや、……いい」
 颯太は力ない声で断った。
「ん? なんだって? 教えてやらなくていいのか? ホントは知りたいくせに意地を張るなよ、みっともないぜ」
 焔は容赦ない。
「いいよ、いいんだ」
「何がいいんだよ!? ちっともよかねーだろ」
「………」
「俺は恩着せがましい性格だがな、この程度のことおまえに教えたからって、謝礼に高額請求をしたりはしないぜ」
「そりゃ、そうだろうけどさ。おまえの家、お金持ちだし。これ以上、お金はいらないだろう」
「いや、そうじゃなくて! 俺はおまえの為を思って……ッ」
 焔がそう言いかけた瞬間、再び玄関からドアの開く音がして、ゆったりとした足取りで閃がダイニングルームに姿を現した。
「何を騒いでいるんだ。話し声が外まで聞こえたぞ」
 閃はらしくない、冷ややかな声で2人を窘めた。

◆2011年1月25日更新分へ続く


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