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    2011

01.25

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(009)

「悪い。……この部屋のドア、けっこう頑丈そうなのに外までオレ達の声が聞こえたんだ?」
「本当に颯太はバカだな。頑丈に見えても防音ってわけじゃないんだ。外に多少の音くらい漏れるさ」
 まったく悪びれない焔に向かって、閃は少しだけ苛立った口調で訊ねる。
「突然くるなんて、どうしたんだ?」
「どうしただなんて、このスットコドッコイと同じこと言うなよ。可愛い弟が兄貴を頼って、大事な相談をしにきてるんじゃないか」
 閃は怠そうに目を伏せ、短い溜息をつく。
「その話は週末にしてくれ」
「え? 大事な相談って何?」
 颯太が2人の会話に割って入ると、
「おまえには関係ない」と、焔に冷たく言い放たれる。
「……ごめん」
「今夜は颯太とすき焼きなんだ。断っておくがおまえの分の肉は買ってきてない」
「えぇ!? 飢えた弟の目の前に黒毛和牛の肉をちらつかせておいて、追い払うのかよ!?」

◆2011年1月26日更新分へ続く


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