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    2011

02.01

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(013)

 いくら言われ馴れているとはいえ、焔の物言いはあんまりである。
 焔が唐突に押しかけてこなければ、閃とゆっくり過ごす予定だった。
 颯太の立場からすれば、邪魔なのは焔の方なのだが、今夜の焔は思いがけないサプライズを引っ提げてやってきた。
 だから、晴れやかな気分で閃の部屋を後にできる。
「解ったよ、じゃあ、帰る。またな、閃」
 颯太が立ち上がると、唐突に閃が声を荒げる。
「いや、帰るのは焔、おまえだ。すき焼きは食わせてやったんだ。それでいいだろう。もう帰れ!」
「え? オレならいいよ、帰るから。焔の話を聞いてやってくれよ」
「颯太もこう言ってるんだ。いいだろう、もう部屋へ帰らせても」
「駄目だ。そろそろご飯も炊きあがる。夕飯は最後まできちんと食べろ」
「じゃあ、ご飯をもらったら、すぐ帰るよ」
「それも駄目だ」
「えー!? なんで?」
 普段は寡黙な閃だが、一度火が付くと、焔を軽く超越した勢いがあり、颯太はたじろぐ。

◆2011年2月2日更新分へ続く


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