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    2011

02.07

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(016)

「うん、いいけど……、でも、少しの間だけだぞ」
「少し……か」
 閃の酷く不満そうな声が、颯太の耳元で低く響く。
彼の吐息も耳にかかるのを感じて、颯太はくすぐったさに少しだけ身じろいだ。
 閃の腕に力がこもる。
「閃、ちょっと痛いから、力を抜いて」
 しかし、その言葉は閃にスルーされてしまい、代わりに、
「―――で?」と、主語のない問いを、乱暴に投げかけられる。
「ん? 何が?」
「……少しってどのくらいなんだ?」
「えぇ!? どのくらいって訊かれても………」
 颯太は答えに窮した。
「おまえが言い出したんだから、おまえが決めろ」
「じゃ、じゃあ、……えっと、その……、焔が騒ぐのを諦めて、帰るまで!!」

◆2011年2月8日更新分へ続く


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