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    2011

02.08

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(017)

 閃は、更に深く、颯太をその腕の中に包み込みながら、フッと自嘲するように微笑った。
「昔から俺にうるさくつき纏う焔に、もうしばらく側にいて欲しいなんて思うのは、初めてだな」
(側って言っても、玄関のドアの外なんじゃ……?)
 そう思ったが、颯太は黙って閃に身を預けた。
 ドアの向こうの焔はまだ騒いでいる。
 かなり近所迷惑だ。
 しかし、すぐ隣は颯太の部屋で、更に隣は深夜遅くにしか帰宅しないキャバ嬢が住んでいて不在な為、即座に通報されることはないだろう。
 だが、さすがに少し苦しい。
 痛みは我慢しているうちに軽い痺れに変わっていったが、強く締めつけられているので、息が苦しくなってきてしまったのだ。
 浅く呼吸を繰り返してしのいでいたが、
「―――……うッ…んっ」
 無意識に、苦しげな声が漏れてしまった。
 閃は弾かれたように、急いで身を離す。
「すまない」

◆2011年2月9日更新分へ続く


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