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    2011

02.10

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(019)

『なんなんだ!? ごちゃごちゃやってないで、ここ、開けろよ! おい、颯太!!』
「う、うん。今、開ける!」
「開けさせない」
 どことなく楽しそうにそうささやくと、閃は右腕で颯太の胴を攫った。
 颯太を抱え上げたまま廊下を歩き、リビングルームへ戻る。
「降ろせよ、閃! まったく! 強引なんだから!!」
 少しだけ声を荒げ、本気で文句をつけた。
 閃はすぐに降ろしてくれたが、玄関に向かうドアの前に立ちはだかり邪魔をする。
 ムカつくが、さすがに戦意喪失。
 颯太はすっかり冷めてしまった鍋の前に座り直した。
「……でもさ、焔の大事な話ってなんだったんだろうな」
「どうせ大した話じゃないだろう。ご飯食べるだろう? 颯太」
「うーん、今の騒動でお腹いっぱいになっちゃったな」
「そうか。じゃあ、メロン食べるか?」
「………食べる」

◆2011年2月14日更新分へ続く


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