FC2ブログ

    2011

02.22

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(025)

 颯太は驚いて振り返る。
 当然、ドアを開けたのは閃だと思ったのだが、ゆっくりと開いたドアの向こうから姿を現したのは焔だった。
「―――まったく。やっと自分の部屋に帰ったと思ったら、三分もしないうちに戻ってくるな」
「焔……、おまえ、もう帰ったんじゃないのか?」
「ああ、さすがにずーっと廊下で待ってると変質者と間違われるからな。駐車場の車の中にいたんだ。たまたま様子を見にきてみたら、おまえが出て行くところでさ。んで、おまえが自分の部屋へ戻ってすぐにドアフォンを鳴らしたら、兄貴がすぐドアの鍵を開けてくれたんだ。たぶん、おまえと間違えたんだろうけど」
 そう言って焔は肩を竦める。
「閃は?」
「今、シャワー」
「そっか」
「そういうわけだから、兄貴に気づかれる前に戻ってくれ」
「……うん。おやすみ」
「おやすみっていうか、そろそろ夜明けだぜ。これから熟睡して会社遅刻すんなよ」
「……うん」

◆2011年2月23日更新分へ続く


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



リーマン物
トラックバック(-)  コメント(-)