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    2011

02.23

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(026)

 颯太の鼻先でドアが閉まる。
焔に追い返された形になってしまったにしろ、これで大手を振って自分の部屋へ戻れるのだから、ホッとした気分になってもよさそうなものなのに。
 颯太は内心、酷く落胆していた。
 そもそも、自分の部屋へ帰りたかったのだし、焔が閃と大事な話をしたがっていたのだから、これでなんの問題もないのだ。
 理屈では解っている。
 しかし、颯太は自分の小さなシングルベッドに無造作に腰掛けたまま、何度もため息をついた。
 しばらくすると、カーテンの隙間から朝陽が射し込んできて、颯太を正気に戻らせた。
「今日も晴れかぁ……」
 颯太はぼんやりとつぶやく。
そろそろシャワーを浴びて出勤の用意をしようと立ち上がると、ちょうど目の前の壁に貼ってある絵はがきが目に入った。
 カリフォルニアの爽やかな風景写真の絵はがきである。
 颯太の表情がいっきに弾ける。
「そうだ! 週末に煌さんが帰国するんだった!!」

◆2011年2月24日更新分へ続く


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