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    2011

02.24

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(027)

 煌は日本に帰ってくると、いつも、必ず颯太をいろいろな所へ遊びにつれて行ってくれる。
 男が二十五歳にもなって、友達の兄に遊んでもらうというのも奇妙な話かもしれない。
だが、颯太が小学生の時から十数年以上も続いている慣行的な行事なのである。
 颯太は幼くして母親を病気で亡くし、父親はもともと放浪癖があり、基本的に家に寄りつかず、颯太の面倒をみない。
 閃の兄とはいえ、年の離れた煌は、そんな颯太の両親に代わる存在でもあった。
 そして、颯太が恋い焦がれる存在でもある。
 颯太は煌を目の前にすると、ドキドキして切ない気持ちになり、胸がキュッと締めつけられる。
 ―――煌が好きなんだと、颯太が自覚したのはいつの頃だっただろう。
 今となっては思い出せない。
 自然とそういう気持ちになった。
 もちろん、煌にそんな熱い想いを打ち明けたりはしていない。
 ずっと、颯太の胸の奥にしまっている。

◆2011年2月28日更新分へ続く


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