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    2011

01.19

太陽が沈む時、切なく甘い雫が月から堕ちる(006)

 颯太が買い物袋の中身をダイニングテーブルの上に1つ1つ並べながら広げていると、玄関のドアの開く音がした。
 立体駐車場に入れる為、少なくとも数分くらいの時間がかかるはずである。
こんなに速いということは何かトラブルだろうか?
「どうかしたのか? 閃?」
 颯太が慌てて玄関へ向かうと、玄関から入ってきた相手と廊下で正面衝突しそうになった。
「急に飛び出してくるなよ、危ないだろう!?」
 不愉快そうに顔をしかめて颯太を睨むのは、閃の弟の焔(えん)だった。
 焔は颯太達よりひとつ年下で、横浜市の会社に就職し、実家の鎌倉市から通っている。
 そもそも1つしか年齢が違わない上に、同じ遺伝子で生まれてきているので、閃と焔は一見すると双子のようによく似たルックスである。
 身長も体重もほぼ同じな上、品のいい整った面差しもよく似ている。
 強いて2人の違いを言えば、閃は穏やかで優しい雰囲気の持ち主だが、焔は張り詰めたような鋭い雰囲気を持っている。
「焔、どうしたの? 最近よくくるけど………」
 すると焔は、颯太をバカにするように笑い声をあげた。
 そして、ややケンカ腰に、
「そっちこそ、いつきてもここにいるけど、どうなってんだよ。とうとう自分の部屋を引き払ったわけ?」と言い放った。

◆2011年1月20日更新分へ続く


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